国立健康危機管理研究機構の発表によれば、麻疹の患者が増えています。今年に入り計236人が報告され、前年の同じ時期に比べ3.5倍になっています。新型コロナウイルス対策が緩和されてから、年々増加しており、2020年以降で最多ペースとなっています。

麻疹は感染力が非常に強いのが特徴で、感染後症状が出るまでに平均10日前後かかります。発熱や咳などの症状の後、高熱が続き発疹が出ます。肺炎や中耳炎を伴うこともあり、約1千人に1人の割合で脳炎となり、亡くなることもあります。ごく稀に、回復して数年~10年ほどたってから重い知的障害や運動障害が出る場合もあります。治療は対症療法です。予防には2回のワクチン接種が有効です。
都道府県別では、東京都の72人が最多、鹿児島県が27人、愛知県が23人と続いています。年代別では、20~29歳が28%、15~19歳と30~39歳がそれぞれ22%です。かつては子どもの病気のイメージが強かったのですが、幅広い世代でかかる病気になっています。海外で感染した人が国内に持ち込んだウイルスが広がっていると考えられています。
日本では、2008年に10~20代を中心に1万人超の患者が報告されています。その後、中学・高校生の年代に2回目のワクチン接種をすすめるなどして患者数が激減しました。2015年にWHOから土着のウイルスがなくなった排除状態に認定されていましたが、世界的に流行が広がった2019年には、国内でも700人超の患者が報告されました。

(2026年4月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





