地下シェルターの設置

 政府は、シェルター確保に関する基本方針を閣議決定しています。1~2時間の短時間の避難を想定して作った緊急シェルターは、2025年4月時点で全国におよそ6万1,000カ所あります。国と地方自治体が、緊急事態に備え国民が一時避難するシェルターの整備を進めています。

 北欧で危機管理対応としてシェルターが広がった契機は、第2次世界大戦や東西冷戦でした。スウェーデンは、中立を維持した大戦中から政府が財政支援し、集合住宅や公共施設へ設置を進めました。旧ソ連(現ロシア)と国境を接するフィンランドは、1958年に新・市民防衛法で住宅の所有者に設置を義務付けました。韓国は、核・ミサイル開発を進める北朝鮮を背景に設置を広げています。スイスは、民間施設を新築する際に所有者に設置または拠出金の支払いを求めており、地方自治体が公共シェルターを整備する際の財源に充てています。

 一方、日本を含むG7諸国には、中央政府がシェルター設置を義務付けるような制度はありません。高市早苗首相は、2025年の自民党総裁選の公約で、地下シェルター設置法制定を掲げています。主要駅や大規模施設の建設時に設置を義務付ける内容を想定しています。政府の基本方針は、2030年までに全市区町村でシェルターの人口カバー率100%を目指すと掲げています。

(2026年4月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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