インフルエンザ感染に関わる宿主因子を同定

 東京大学などの研究チームは、インフルエンザウイルスが体内で増える際に重要な宿主が持つ遺伝子を特定しました。研究チームは、従来知られていた増殖に関わる宿主の386個の遺伝子を選び、そこから生命の維持に不可欠な遺伝子を除いた上でそれぞれの遺伝子の働きを抑えた時に、マウスの細胞でインフルエンザの増殖を調べました。

 ゲノム編集技術を用いて84種類の遺伝子の働きを抑えたマウスを作製しました。マウスにインフルエンザを感染させると、17種類のマウスでウイルスの増殖が抑えられ、そのうち2種類のマウスでは雄雌ともにウイルスの増殖が特に抑えられ、生存率も大幅に向上しました。2種類はそれぞれRGNEFとLasp1という細胞の形を保つたんぱく質の遺伝子が働いていませんでしたが、マウスは正常に生存していました。

 ウイルスは自分の力だけでは増えることができません。そのため宿主である生き物の細胞に侵入して様々な機能を使い、自身をコピーさせて増殖します。これまでの抗ウイルス薬はウイルスのたんぱく質を標的としており、変異で薬への耐性が生じました。今回の成果により、薬への耐性が生じにくい治療薬の開発につながる可能性が示されました。

(2026年6月17日 東京大学プレスリリース)
(吉村 やすのり)

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