「つわり」とは、妊娠がわかる頃に気持ちが悪くなって吐いてしまうことや、食べたくなくなること、好きな食べ物が変わることなどをいいます。多くの妊婦さんにおこりますが、妊娠16週頃までには自然に治まります。つわりのない方もいれば、全く食べられなくなって体重が減ってしまう方もいます。全く食物を摂ることができず、水も飲めなくなってくると、尿中にケトン体がでてきます。その場合は、先生と相談をして点滴などで必要な栄養分を補ってもらいましょう。3~4日の入院が必要になることもあります。
つわりになった際は、口に合うものを食べましょう。この時期は栄養バランスを気にしなくても大丈夫ですので、少しずつ食べたり、冷やしてから食べるなど工夫されると良いでしょう。水分を摂ることが重要です。お腹が空きすぎると余計に気持ちが悪くなるので、スープやジュースで補っても良いと思います。体重がどんどん減ってしまうと、妊娠悪阻(つわりの激しいもの)や、ウェルニッケ脳症というビタミンB1欠乏症になって後遺症を残す場合もあります。また、男性の思いやりがつわりを軽くするとも言われています。パートナーの様子に気付き、優しくいたわってあげましょう。「妊娠は病気ではない」と言っていた昔とは時代が変わりました。もちろん病気ではありませんが、つわりの辛い時期も2人で乗り越えたと感じられるカップルが増えることを期待しています。
(吉村 やすのり)