東京大学社会科学研究所らの子どもの生活と学びに関する親子調査によれば、上手な勉強の仕方が分からないとの設問に、とても当てはまる、まあまあ当てはまると回答した児童生徒の割合は、小学4~6年生で約6割、中学生と高校生は約7割に上っています。小学6年生から中学1年生に進学した段階で、分からないの割合増加が目立っています。中学校では学ぶ内容が難しくなったり、定期テストが始まったりして学びをめぐる環境が大きく変化するためです。

都内有数の進学校は、学習方略の指導を取り入れています。新型コロナ禍でオンライン授業を実施したところ、生徒や保護者から勉強の仕方が分からないとの相談が寄せられたことがきっかけとなっています。学習方略とは、教育心理学で勉強の目標を達成するために行っている様々な工夫を指す用語です。学習方略のうち、覚えたり理解したりする時の工夫は認知的方略、勉強の計画を立てたり、理解度を自分でチェックしたりする工夫は、メタ認知的方略と分類されています。
勉強が得意な人や仕事で高い成果を出す人は、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを自ら回しています。学び方のテクニックを身に付けることが重要なのではなく、子どもたちが自分の学び方を振り返り、工夫していけるようにすることが、生涯にわたって学び続けていける人を育てることにつながります。

(2026年7月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





