国立大学は、1960~1970年代に大量整備された校舎や研究施設が一斉に老朽化し、修繕・改築が急務となっています。国は、国立大学などの2025年度の施設整備費は、全体で2100億円と試算しています。文部科学省は計1165億円を補助金で支給していますが、残りは各大学が独自財源で賄う必要があります。研究費などに充てる運営費交付金なども修繕費に充てますが、費用は足りず、校舎の外壁が崩れるなどの被害が相次いでいます。
財源不足に悩む国立大学で、民間企業と連携した施設の修繕や改築が広がっています。国立大学は2004年に国から独立した法人となり、整備費の半分は独自に捻出しなければならないためです。一橋大学は、2023年度のソーシャル・データサイエンス学部の新設に合わせ、不動産大手の三菱地所と価値創造空間の共創などをテーマに共同研究契約を締結し、三菱地所が改修を実施しています。
醸造家を輩出する帯広畜産大学は、2020年に敷地内に上川大雪酒造の酒蔵を誘致しています。元々は老朽化した職員宿舎があった場所で、酒蔵は学生が醸造を体験する場にもなっています。鹿児島大学は、2024年に鹿児島県曽於市の企業版ふるさと納税を活用し、共同獣医学部の研究・研修施設を新設しています。地域や企業と共創拠点の展望を共有し、寄付金などの多様な財源による整備を進めています。

(2026年7月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





