若者の自傷行為による救急搬送の増加

 自傷行為や自殺未遂で救急搬送される若者が増えています。人口10万人あたりの若年層の救急搬送率は増加傾向にあり、0~19歳は2016~2023年で2.5倍、20~39歳も増えています。男女ともにオーバードーズ(OD)が最多です。市販薬でODをする10代の8割は、リストカットなど他の自傷行為も1年以内に経験済みとの研究もあり重複しています。自傷行為や自殺未遂は、将来の自殺につながる最大の危険因子です。

 自傷行為の約4割が、自傷行為は周囲の注目を集めるためにしています。女性の方が自傷行為や自殺未遂での救急搬送率が高く、救急搬送率の増加傾向も女性の方が顕著です。0~19歳の女性の自殺死亡率は、2023年は2016年比で2.5倍、男性は1.3倍でした。ODでの搬送数も、女性は男性の約3倍に上っています。

 救急医療と精神科や地域福祉が連携して自殺予防につなげる取り組みも始まっています。東海大学医学部付属病院は、2007年から救命救急センターに4、5人の精神科医による専門チームを配置しています。自傷や自殺未遂で搬送された患者の状態を評価し、家族への聞き取りや助言も行い、ソーシャルワーカーにもつなげています。身体症状が回復したとしても精神の症状を理由に入院を継続できることもあり、自殺予防の観点からも大切な取り組みです。

(2026年7月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です