日本産婦人科医会の統計によれば、すべての分娩のうち無痛分娩の割合は2024年で16.2%に達しています。2017年の5.2%から大きく上昇しています。医療保険の対象外であるため経済的な負担が大きかったのですが、東京都は無痛分娩費用に最大10万円の助成を始めており、2025年10月から2026年3月末までに1万2,059件の申請がありました。背中から挿した管を通して麻酔薬を入れる硬膜外鎮痛法が標準的な方法として世界的に普及しています。
無痛分娩を扱う医療機関のうち、麻酔科専門医か厚生労働大臣が認定した麻酔標榜医が麻酔を担当しているのは約半数です。高まるニーズに対応するため、安全性が十分に担保されないまま無痛分娩を始めようとする医療機関もあります。日本の法律では、専門の麻酔科医がおらずとも産科医が麻酔を担当して無痛分娩を行います。麻酔を実施する医師の確保や安全管理体制の標準化等、安全で質の高い無痛分娩の提供体制の確保に取り組む必要があります。

(2026年8月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





