胃がんは日本人に多く、死亡数は全てのがんの中で4位を占めています。男性では11人に1人が発症します。胃がんの精度での再発予測はこれまで困難でした。血液などの体液からDNAを解析して治療や予防に生かす医療研究が進んでいます。再発の可能性を血液から調べることができれば、早期の発見や不要な抗がん剤を減らすことにつながります。
血液に漏れ出るがん細胞由来のDNAを目印にします。がんの種類によって血液への漏れやすさは異なり、胃がんや膵がんなどは血液に出てきにくい特徴があります。漏れやすいがんでは、全解析ではなくゲノムの一部を解析してがんに関わる重要な遺伝子を調べる手法が使われています。国立がん研究センター東病院のグループは、全ゲノムを調べる手法を使っています。治療や手術の前にがん組織や血液を採取し、全ゲノム解析で患者ごとにがん特有の遺伝子の変異を最大約1,000個特定しました。精度を確かめるためにがんがある状態で血液を調べると、95%の検出率でがんを見つけられました。

体液を使ってがんの有無を調べる手法は、リキッドバイオプシーと呼ばれます。尿や唾液から調べる方法もありますが、血液を使う手法が世界でも進んでいます。大腸がんはがん由来のDNAが血液に漏れやすく、日本では大腸がんの再発を血液から診断する手法であるSignatera診断システムが製造販売承認を取得しています。

(2026年8月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





