医師の偏在指標は、人口10万人あたりの医師数をベースに医師の労働時間や患者ニーズなど需給を加味して算出します。必要とされる医師数を満たした地域ほど高く、大学医学部が充実し、患者数も多い東京都や京都府が上位に名を連ねています。厚生労働省の医師偏在指標によれば、比較可能な2020年以降、全国平均は11.3%改善しています。しかし、首位の東京都の358.6と最下位の青森県の194.4との差はなお2倍近くになっています。
2020年から2026年までの改善率をみると、都道府県別トップは179.5から222.7へと24.1%改善した福島県でした。次いで島根県の19.3%、鹿児島県の18.2%です。指標で最下位となった青森県も改善率では12%と26位に入っています。福島県は福島県立医科大学と連携し、地域医療支援センターを学内に設置し、医大生への資金支援と免許取得後の研修メニュー充実などを柱とする偏在対策を進めています。
島根県は、各地域の中核となる病院と過疎地・離島などの診療所との間で医師が曜日ごとに交代で勤務する地域医療支援ブロック制度を導入しています。鹿児島県は、離島や僻地の医療機関で勤務を希望する医師とその家族が現地を視察する際の経費を支援し、医師のU・Iターンを促しています。
偏在対策では、育成、配置を担う大学病院を巻き込むことが特に必要です。全国の大学病院に勤務する医師は約6万人で、大学病院から配置・派遣されている常勤医師も約6万人おり、開業医などを除く計21万人の勤務医のうち、6割が大学病院関連の人材です。

(2026年9月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





