女性総合職の増加

 経済分野のジェンダーギャップは、2026年版の報告書で悪化しています。管理職や役員への女性登用が遅れています。欧米やオーストラリア、シンガポールなどでは30~40%程度に達しているのに対し、日本は15%にとどまっており、先進国の水準には遠く達していません。背景の一つに、そもそも幹部候補になり得る総合職に女性が少ない構造があります。

 総合職は男性、女性は多くが一般職という時代が長く続きました。一般職は、賃金が低く管理職への登用の機会も限られるため、男女の賃金格差が生じる大きな要因にもなってきました。2016年度には女性の正社員のうち、一般職が47.0%で、総合職は35.3%でした。この差はだんだんと縮まり、2025年度の調査で総合職が41.0%と、一般職の40.1%を初めて上回りました。

 総合職の女性の採用を増やしたり、一般職を廃止して総合職に一本化したりする動きは、2000年代から目立つようになってきています。2016年には女性活躍推進法が施行され、数値目標の設定や、女性の登用を進めるための行動計画策定が大企業に義務づけられました。2022年から男女の賃金格差の公表が始まり、女性管理職比率の公表も2026年から義務化されました。

 しかし、総合職に女性を増やすだけでは不十分です。重要な仕事や育成の機会が男性に偏る傾向がなお根強く、昇進の差につながっています。意思決定をになう女性を増やしていくために、意識的に女性に機会を与え育てていくことが大切です。

(2026年9月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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