文部科学省は臨床現場で使いやすいiPS細胞を開発するため、次世代iPS細胞(iPS細胞2.0)と位置づけ、文部科学省は2027年度概算要求に56億円を盛り込んでいます。これまで適用が難しかった脳梗塞や慢性腎不全といった疾患の治療にも対応できるようにし、製造にかかるコストも低減します。2027年度に細胞の製法を完成させることを目指します。
現在のiPS細胞の製法では、目的とする細胞に成長する割合が低かったり、品質が安定しなかったりする課題があります。大脳皮質や腎臓の細胞など複雑な臓器を対象とする疾患には事実上適用できませんでした。培養条件を変えて細胞を受精卵の初期段階に近い状態に戻すことで、目的とする細胞に成長する能力が高まります。
細胞から大脳皮質を模したミニ臓器であるオルガノイドを作製し患者に投与すれば、脳梗塞による運動機能の低下を改善できる可能性があります。腎臓や肺も次世代iPS細胞で作れる可能性があります。

(2026年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





