居住サポート住宅制度の利用の低調さ

 高齢者ら向けの見守り付き賃貸住宅である居住サポート住宅が広がっていません。居住サポート住宅は2025年10月に住宅セーフティネット法改正で創設された制度だ。入居対象は、住まいの確保が困難な住宅確保要配慮者で、単身高齢者や障害者、ひとり親家庭などを想定しています。

 この住宅では、大家と居住支援法人が連携して安否確認や見守りを行い、必要に応じて福祉サービスにつなぎます。孤独死や家賃滞納への不安から起きる入居拒否や貸し渋りを減らし、単身高齢者らの住まいを確保することが目的です。しかし、9月末時点で市区町村などが認定したのは全国で402戸です。青森、秋田、山形、福島、長野、新潟、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、広島、山口、徳島、佐賀、熊本、宮崎の16県はゼロです。最多の福岡でも84戸にとどまっています。

 認定が進まない理由の一つが、大家らの参入意欲の低さです。家主のメリットが少なく、あえてリスクが高い人に貸す必要はないと考える大家もいます。認定条件の厳しさも要因の一つです。居住支援法人などには大家と連携して、①1日1回以上の安否確認、②月1回の訪問などによる見守り、③入居者の心身が不安定になった際に福祉サービスにつなぐ支援などが求められています。

 見守りの費用を国や自治体が補助したり、空き家を持つ家主向けに制度の周知を強化して認定取得を促したりする必要があります。

(2026年10月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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