日本経済新聞が全国の国立と主要私立の計129大学を対象に2013年度決算を集計したところ、国立では東京大学2年連続で首位、私立は帝京大学がトップであった。少子化による学生数の減少といった厳しい経営環境の中、大学は付属病院の収入や寄付金を増やし利益を確保しています。大学は利益追求が目的ではないことは言うまでもありませんが、稼ぐ力が高い程、教育・研究施設への投資を通じて競争力を高めやすくなります。
国立大学は利益があるといっても、収入の3割は国からの交付金で賄われていることを考慮すると、私立大と単純な比較はできません。国立大学は交付金が無ければ、ほとんどの大学が赤字です。しかし、収入の3割程度に当たる国からの交付金が削減傾向にあり、国立大全体でみた当期総利益は強減少しています。
国立大学の利益は、付属病院の収入や企業や国からの研究費の受託による収入によっています。一方、私立大では少子化の影響で授業料や入学金が減り、帰属収支差額の合計は1割減っています。帰属収支が増えた私立大は、学科新設などによる高水準の授業料収入によると思われます。
(2014年12月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)