東京都は、職員が配偶者の海外転勤に同行できる休職制度を導入し始めています。千葉県や横浜市は条例を制定済みで、すでに新制度の利用者も出てきています。首都圏では海外転勤の可能性がある企業なども多く、新制度を活用する自治体職員は今後増えそうです。この制度は配偶者同行休業制度と言われ、2月から中央省庁で始まっています。公務員が海外赴任する夫や妻に同行する場合、従来は原則として退職する必要がありましたが、この制度では最長3年間、休職して同行し、帰国後に職務に復帰することができます。すでにこれまでに13人が利用しているそうです。
私事になりますが、1983年に米国留学をする際に、家内は別の大学に勤務しており、仕事を休職することはできず、同行することはできませんでした。1年後の1984年に彼女も留学先を見つけて、1年間だけ一緒に海外生活を過ごすことができました。その後家内と娘は帰国し、残りの1年半はまた単身赴任となりました。つまり3年半の海外生活のうち、2年半は単身で過ごしました。海外での単身生活は、習慣も違い何かと大変なことが多く、夫婦揃っていることの大切さを痛感しました。配偶者が海外赴任する際に、休職して同行できる制度は至極当たり前のことですが、ぜひとも普及させて頂きたい制度です。欧米人にとっては、海外出張にともない夫婦が別々に生活するということは全く考えられないと思います。
(2014年12月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)