わが国の子どもの貧困率

日本の17歳以下の子どもの貧困率は、上がり続けています。厚生労働省の調査では、2012年の子どもの貧困率は16.3%で、6人に1人、ひとり親世帯に限ると2人に1人の割合になります。最近では貧富の差が増大し、貧困層と富裕層で住む地域やコミュニティの分断が進んでいて、違う境遇の子に出会う機会が減っているように思えます。有名中高一貫に通う子どもは、貧困家庭の生活環境を理解できなくなっています。特に都市部は格差が大きいと思います。

貧困によって、子どもたちは進学など多くの人には当たり前に与えられる機会を奪われることになります。今は塾に通うのが当たり前になり、都内の大学進学率は7割にも及んでいます。その中で、自分の努力ではどうしようもない理由で進学や夢をあきらめなくてはならない子どもたちがいます。これは子どもにとって大変大きな精神的なストレスに繋がります。各個人の自由は尊重されるべきですが、高等学校までの教育に必要な費用は国が負担すべきであると思います。大学においてもより奨学金の制度を充実させ、教育を受けたいと思う者が全て学べるような社会を目指すべきです。

(2014年1月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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