東京都は5日、男性の不妊治療に対し、自己負担が半分になるよう15万円を上限に助成する方針を決めた。2015年度予算案に6千万円を盛り込む。都によると、女性向けには、国の助成制度に都が上乗せする形で、負担が半分になるよう25万円を上限に助成している。だが実際は、男性または、男性と女性のいずれにも不妊の原因があるケースが約半数に上るという。また、都の15年度予算案は、消費増税などで増収が見込まれ、一般会計は約2800億円増の約6兆9500億円となり、3年連続で増える見通しである。
女性の不妊治療に対する助成は、特定治療支援事業により平成16年度から実施されている。最近になり男性不妊も注目されるようになり、地方自治体によっては、男性不妊の治療に対しても助成が行われるようになっている。不妊の原因は女性側にあると考えられがちであるが、男性不妊が不妊カップルの約40%を占めていることを考えれば、当然支援すべき制度であると思われる。こうした地方自治体の試みは、国民に対し広く男性不妊の存在を知らせる意味でもぜひとも推進すべき制度である。
(吉村 やすのり)