内閣府は、iPS細胞などの幹細胞から、受精卵に似た細胞のかたまりや卵子、精子をつくる研究に対する国民意識調査を実施しました。一般の人の8割近くが期待をしていますが、過半数の人が、研究に関して国がある程度厳しく規制することが望ましいとしています。
皮膚や血液などの細胞からつくれるiPS細胞や、受精卵からつくるES細胞は、体の様々な細胞に変化する能力があります。これらから、ヒトではまだ卵子や精子をつくることはできていませんが、受精卵を模した細胞のかたまりである胚モデルとともに、この分野の研究は急速に進展しています。
期待する理由として、6割前後が、不妊症や生まれつきの病気の原因の解明と治療法の開発を挙げています。研究の実施要件などに、ある程度国が厳しく規制を行うが55.2%に達しています。そもそも研究は認めるべきではないが15.2%で、国の関与を望む意見が大勢を占めています。
iPS細胞などから卵子や精子が再現できても、日本では受精させることが現時点では国の指針で禁じられています。解禁するかどうか内閣府の専門調査会で検討課題になっています。
(2024年6月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)