いまの30代は、結婚・出産期に働く女性が減少するM字カーブがほぼ解消した世代に当たります。平均初婚年齢は2024年に妻が29.8歳、夫が31.1歳で、初産の平均年齢も2024年に31.0歳です。30代が出産・育児のピークに当たります。仕事で脂が乗る30代が共働き育児に取り組める社会を目指し、官民を挙げた働き方改革が進みました。男性の育休取得率は向上し、待機児童も減少しました。
M字カーブ解消後も、女性の正規雇用率が20代後半をピークに下がるL字カーブが残っています。女性が結婚・出産後に仕事をセーブすることがペナルティーになっています。出産を経て女性の収入が減る母の罰と呼ぶ問題が、30代の消費活動の足かせになっています。
内閣府の試算によれば、夫婦と子ども2人(妻は29歳で第1子、32歳で第2子を出産)の世帯で妻が正社員として就労を継続した方が、非正規フルタイムになる場合と比べて世帯の生涯可処分所得は8,700万円多くなっています。中堅を含む幅広い世代で、物価上昇を上回る賃上げを持続できるかも成長を左右します。30代の旺盛な消費意欲を生かせれば、GDPの5割を占める個人消費の起爆剤になると思われます。

(2025年11月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





