国立健康危機管理研究機構(JIHS)の発足

 JIHSは、感染症の研究や動向調査を担ってきた国立感染症研究所と総合病院を持つ国立国際医療研究センターが統合して発足しました。職員数は医師や研究者ら約3,900人で、病原体の基礎研究から患者の治療まで一体的に取り組んでいます。

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休暇を考える―Ⅰ

有給休暇取得の実態

 バブル崩壊後の失われた30年間、有給休暇の取得率は低迷を続けたままでしたが、2018年に労働基準法が改正されました。社会生活基本調査によれば、年間の有給休暇取得日数は、法改正前の2011年と2016年は分布の形状がほぼ同じだったのに対して、改正後の2021年は取得日数0~5日の割合が少なくなり、6~10日の取得割合が増加しています。有休11日間以上の取得割合は法改正前に比べれば増加しているものの、100%の休暇取得には遠く及びません。

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わが国の無子化を考える―Ⅱ

無子化と草食化

 2023年の合計特殊出生率は1.20と統計開始以来の最低を記録しています。子どもを持たない無子夫婦の割合も1977年に3.0%でしたが、2021年には7.7%まで増加しています。少子化の要因として最も大きいのは未婚者の増加とされています。1980年に生涯未婚の割合は男性で2.6%、女性で4.5%でしたが、2020年にはそれぞれ28.3%、17.8%まで増加しています。日本は婚姻関係が子どもを持つことが多いため、未婚男女の増加は無子化に直結しています。

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グレート・ギャツビー・カーブが意味するもの

 グレート・ギャツビー・カーブとは、アメリカの小説「グレート・ギャツビー」に由来し、貧富の格差が世代を超えて遺伝する現象を指します。ノーベル受賞者の経済学者であるアラン・クルーガーによって提唱されました。所得格差の大きさであるジニ係数を横軸、親の所得が子の所得に与える影響の大きさを縦軸にとっています。主要国の位置を定めると、右肩上がりの傾向を示す分布図ができます。

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わが国の無子化を考える―Ⅰ

無子人口の増加とその要因

 無子とは、女性の場合は子どもを生んだことがない状態を言います。男性の場合は自分の子どもを持ったことがない状態を言います。女性の場合は、再生産年齢の終わりである45~49歳における無子女性の割合を生涯無子率としていますが、男性の場合はどの時点で生涯無子と考えるか難しくなっています。無子人口とは、多くの場合生殖可能年齢の後半である40~55歳のどこかの時点での割合を求め、生涯にわたり子どもを持たない人口を指します。

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