厚生労働省の人口動態統計によれば、2026年1~5月の出生数の合計は28万2,222人でした。前年の28万979人を0.4%上回りました。この期間で前年を上回るのは2015年以来、11年ぶりとなります。
出生数が底入れしつつある要因の一つが婚姻数の増加です。婚姻数は、コロナ禍を経て2024年から2年連続で増加しました。2025年は0.8%増の48万9,119組で、戦後最少だった2023年の47万4,741組と比べて約1.4万組の増加です。
急降下していた出生数がようやく横ばいに近づいてきました。しかし、国立社会保障・人口問題研究所が2023年に公表した将来推計人口が見込んだ悲観シナリオの低位推計に近い水準です。出生数の減少は日本の経済基盤に深刻な影響を与えます。経済不安が拭えなければ結婚や出産をさらにためらう悪循環に陥ります。政府は、骨太の方針で少子化傾向の反転と人口減少に対応した社会経済の再構築の両面にわたる対策を打ち出しています。しかし出産可能年齢の女性が減少しており出生数の反転は期待できず、現在の出生率を維持できる施策が大切となります。

(2026年8月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





