地熱発電のポテンシャル

 日本の地熱資源量は、約2347万kwで米国、インドネシアに次ぐ世界第3位の規模を誇っています。しかし国際再生可能エネルギー機関の報告書によれば、2025年時点の日本の地熱発電設備容量は約47万kwで、世界第10位にとどまっています。

 政府は、第7次エネルギー基本計画で2040年度の総発電電力量1.1兆~1.2兆kWhのうち、4~5割を再エネ電源で賄う目標を掲げています。地熱発電の比率は全体の1~2%を見込んでいますが、2022年度時点で地熱発電量の国内総発電量に占める割合は0.3%に過ぎません。

 大成建設は、CO2を温めて発電する国内初の地熱発電の事業化に乗り出します。これまでの地熱発電に必要だった豊富な地下水が不要になり、発電時のCO2排出量削減も見込めます。今回事業化に乗り出すのは、掘削した穴から低温のCO2を地下に注入し地熱で温める方式です。高温・高圧のCO2は、気体と液体の中間に当たる超臨界という状態になります。そのCO2をくみ上げてタービンを回して発電し、再び冷まして地下に戻します。

 超臨界状態のCO2は高い流動性をもち、熱を地中にくまなく運ぶ特性を持っています。地下の岩盤の割れ目にも浸透しやすく、効率的に熱を回収できます。窒素や水素など他の気体と比べて高密度の超臨界状態を維持しやすいことも利点です。

(2026年9月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です