脳梗塞治療の後過程治療
脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3種類があり、国内には治療中の患者が200万人近くいます。高血圧や糖尿病、肥満や喫煙などがリスク要因で、患者は増えています。発症直後に適切な治療を受けないと後遺症が残る可能性があります。脳梗塞では脳の血管が詰まり、酸素や栄養不足で神経細胞が死んでしまいます。脳や脊髄の細胞は再生能力が低く、傷つくと治らないとされ、後遺症の対応はリハビリが中心で、脳神経を治療する手法は確立されていません。
北海道大学発スタートアップのRAINBOWは、脳梗塞を起こした患者から細胞を取り出し、培養して脳内に移植することで脳神経の再生を目指す研究開発を進めています。
患者の骨髄から、神経細胞をはじめとして様々な組織の細胞に変化する幹細胞を取り出し、これを自動培養で数千万個に増やし、脳内に移植します。幹細胞が神経細胞に分化したり、弱った神経細胞に刺激を与えて機能を高めたりする効果を期待しています。
脳梗塞の再生医療では、複数の企業が移殖する対象の患者とは異なる人の細胞を大量に培養し、複数の患者に投与する研究開発を進めてきました。しかし治験では期待されたほどの結果を得られず、開発が停滞しています。RAINBOWが進める患者本人の幹細胞を使う手法では、自分の細胞であることより免疫拒絶が起こりにくく、脳内で長くとどまって治療につながると思われます。

(2026年7月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







