厚生労働省のまとめによれば、職場で熱中症を発症した人は2025年に1,803人と前年から43%増え、統計を取り始めた2005年以降で最多となっています6~8月の平均気温が平年より2.36度高く、1898年からの観測史上最高だったことが背景にあります。業種別では、製造業が365人、建設業が292人の順で多く、この2つで全体の4割弱を占めています。年齢別では50歳代以上が5割強を占めています。
熱中症では、暑さ指数(WBGT)が指標として使われます。気温だけでなく湿度、日差しや照り返しの強さなどから算出します。気象庁などが熱中症警戒アラートを出す際などに利用し、25以上が警戒、28以上が厳重警戒、31以上が危険です。31以上は運動が原則中止となります。
発症の理由が仕事なら基本的に労災の対象になります。暑熱な労働環境で倒れるなどして、大量の発汗、頭痛、意識障害といった熱中症の症状が医学的に認められれば、労災認定されます。労災保険で給付を受けるには本人や遺族が労働基準監督署長に申請する必要があります。
企業は2025年6月に熱中症対策が義務となり、発症者の早期発見体制づくり、対応手順の作成・周知が課されました。暑さ指数28以上または気温31度以上などの環境で作業する場合に必要になります。厚生労働省から2026年3月に職場における熱中症防止のためのガイドラインが公表され、暑さ指数で熱中症リスクを把握し、作業環境や作業の管理で適切な対策を求めています。事業主は、作業前に労働者の健康状態を確認し、必要に応じて作業軽減や配置換えなどをすることが望ましいとされています。
(2026年7月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







