がんと診断された後に

 2011年にがんと診断された患者数は988千人余りであり、日本人の2人に1人が、生涯に一度はがんにかかるとされています。働き盛り世代でかかる人も多く、厚生労働省の推計では、働きながら治療を続ける患者は約325千人に上っており、全体の3分の1を占めています。がんはある日突然に発見されることが多く、治療と仕事を両立させることが大切となります。
 生産年齢人口にあるがん患者の8割は、治療を続けながら仕事を続けたいと思っています。がんと診断された後に、患者の20%以上が職場を退職しています。治療・療養に専念するためが、半数以上を占めています。治療が順調に進む中で、仕事を再開できるようになった人も少なくありません。再就職の支援も広がっています。国立がん研究センタ-のがん情報サ-ビスを活用すれば、最寄りの相談支援センタ-を検索できます。法的に義務づけられたがん患者向けの休業制度はありません。今後は、国としてがん患者の仕事と治療の両立のため支援制度を考える必要があります。

(2015年6月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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