わが国における母体血胎児染色体検査(NIPT)の現状―Ⅰ

研究参加施設数と実施件数
 2013年4月から2017年9月末までの4年6か月の期間に臨床研究として実施された検査総数は50,098件でした(2017年11月11日までの報告について集計)。検査実施施設数は 2013年 4月には 15施設でしたが、その後徐々に増加して 2017年 9月末の時点では 79施設となっています。検査提供会社数は当初 1社でありましたが、現在は 8社に増加しています。四半期ごとの検査数の推移を示していますが、検査実数は開始後より2016年9月までは増加傾向にあったものの、それ以降は横ばいです。2017年 4-6月期以降は減少しており、未認可施設の検査実施が影響している可能性が示されました。この結果から少なくとも検査数は、検査実施施設数の増加にもかかわらず、持続的に増加傾向にはないことが推察されます。

(NIPTコンソーシアムとして取り組んだ臨床研究に関する報告書)
(吉村 やすのり)

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保育・幼児教育の社会に対する効果

 待機児童解消は母親の就業を支援することにより、労働力人口の増加、労働市場や職場での競争の機会均等化と活性化につながり、経済効果を生む可能性があります。認可保育園に通う6歳未満人口の割合が高ければ高い都道府県ほど、母親の就業率が高いとの報告もあります。先進諸国平均でみると、政府の保育支出増に伴う翌年の国内総生産(GDP)増加量は支出増加額の2.3倍とも推測されています。
 また6歳未満人口に対する認可保育所定員率が上昇すると、2539歳女性の出生率が高まる傾向があるとの試算もあります。若年女性就業率が今後高まれば、待機児童を完全に解消することで、全国の合計特殊出生率は最大で1.7程度まで高まる可能性があるとされています。そのためには、待機児童問題などの量的な問題だけではなく、保育の質である病児保育・夜間保育・障害児保育などの充実が必須です。

(吉村 やすのり)

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都道府県別の平均寿命

 厚生労働省は、2015年の都道府県別の平均寿命を発表しました。5年に一度、国勢調査をもとにつくられるものです。男性は前回調査(2010年)で2位だった滋賀が81.78歳で初の首位となりました。女性は87.675歳の長野が2回連続でトップです。平均寿命が最も低かったのは、前回と同様に男女とも青森で、男性は78.67歳、女性は85.93歳でした。全国平均は男性が前回調査より1.18歳延びて80.77歳、女性は0.66歳延び87.01歳でした。
 前回の10年と比べて最も平均寿命が延びたのは、男性が長崎で1.50歳増、女性が鳥取で1.19歳増でした。男性の長崎は自殺や肺炎の死亡率が大きく低下し、女性の鳥取はがんによる死亡率が大きく改善し、平均寿命の延びに寄与しました。全国の死因別の死亡確率のトップは男女ともがんで男性は29.38%、女性は20.35%でした。上位の都道府県は、糖尿病での死亡割合が低かったり喫煙者が少なかったりといった特徴があり、下位では食塩摂取量の多さや歩行数の少なさなどが見受けられます。 続きを読む

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大学の定員

 大学は入学定員を減らすことを考えています。大学の入学定員は19990年頃から急増し、2000年以降も緩やかに増え続けてきました。文部科学省によると20164月時点で約593千人で、1992年より12万人増えています。一方、18歳人口の減少に伴って定員割れが広がり、現在は私大の約4割が定員に満たない状況です。 続きを読む

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保育・幼児教育の子どもへの支援

 保育・幼児教育の第一主義的な目的は、子どもたちの健全な発達を支援することと、そのために親による適切な養育を支援することにあります。12歳の子どもを認可保育所に預けた親たちは、預けなかった親たちと比べて、1年後に子どもをたたかなくなる確率が有意に高くなるとの調査結果があります。親の経済状況などによる影響もありますが、子どもを保育所に預けることで気分転換できたり、保育士の助言により養育行動が改善されたりして、たたく行動が減った可能性も考えられます。不適切な養育を受けると、愛着形成と子どもの心身の発達が疎外されてしまいます。たたく行動が減ることは、子どもの発達にとって大切です。
 保育所に通っていた方が通っていない場合よりも、言語発達が良好であるとの報告もあります。特に高卒未満の母親では保育所を使っていた方が育児の知識と幸福感が良好であり不適切な養育行動が少なく、子どもの攻撃性と多動性が弱い傾向にありました。このように日本での実証研究によれば、12歳で認可保育所に通った方が通わない場合よりも、親の不適切養育リスクが軽減し、子どもの発達が良好になる傾向があります。

(吉村 やすのり)

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