まあまあ医療とは

 近年、医療の現場で「まあまあ型」「とことん型」という言葉が聞かれるとうになっています。病気の完治を目指す「とことん」に対し、完治せずとも地域で生活ができるようにするのが「まあまあ」型医療です。実際75歳を過ぎるとまあまあ型を必要とする比率が、急速に高まると思われます。ところが、現在の日本では、いくつになってもとことん型医療を提供しようとする病院が多いとされています。
 将来推計人口などによると、2010年からの30年間で75歳以上の人が800万人増え、税金や保険料などで医療費を支える65歳未満は3千万人減ります。毎年1兆円ずつ増え続ける社会保障費をどう抑えるかが、今後大きな問題になってきます。日本の医療は、すべての患者を100%健康にする目標に向かって進んできました。しかしその限界は見え始めています。患者側にもまあまあ型医療を受け入れる意識改革が必要となります。

(2015年4月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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