アクリルアミドは合成樹脂や接着剤、塗料などに使われる化学物質で、中枢神経などに対する毒性があります。動物実験では発がん性が認められており、国際がん研究機関で人に対して発がん性の可能性があると分類されています。食品では、アスパラギンと糖類が120度以上に加熱されると化学反応を起こして生成されます。食品安全委員会の作業部会は、できる限り低減に努める必要があるとの見解をまとめています。
日本人は、アクリルアミドの56%をフライドポテトや炒めた野菜から摂取しています。次いでコーヒーなどの飲料で17%、ポテトスナックなどの菓子類が16%、パンなどの穀類が5%です。農林水産省は家庭での対策をまとめており、目安として焦げ色に注意するよう助言しています。フライドポテトやトーストで実験したところ、きつね色が濃くなるにつれアクリルアミドが増えます。煮る、蒸す、ゆでるといった水分が多い調理法では発生しにくいとされています。
(216年3月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
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