ジェネリック医薬品の信頼性

 ジェネリック医薬品は、新薬として販売されて先発薬の特許期間である2025年が過ぎた後、同じ有効成分をもつ薬として発売されます。一般的には薬価は先発薬の56割程度です。使用率(数量ベ-ス)は年々伸びて、20139月時点では46.9%になりましたが、米国の約90%、ドイツの82.5%、英国の75.2%と比べ、大きく下回っています。政府は医療費抑制のため、使用率を2020年度末までに80%以上にする目標を打ち出しています。ただ、抵抗感を抱く人もおり、有効性と安全性への信頼を高めていくことが課題になっています。
 厚生労働省が患者や家族、約1千人に実施した2014年度の調査によると、いくら安くなってもジェネリックを使いたくないと答えた人が109人もいました。このうち6割以上が、効き目や副作用に不安があるを理由に挙げています。ジェネリックは有効成分の種類や量、効能などは先発薬と同じでなければいけませんが、形や大きさ、含まれる添加物などは違ってもいいとされています。先発薬は効果や副作用がわからないため、一定数の患者で有効性や安全性を確かめる治験が必要です。一方、ジェネリックはこうした治験が不要で、薬を飲んだ後の血液中の有効成分濃度が先発薬と同様かどうかを人で調べる、生物学的同等性試験などで済みます。先発薬とジェネリックで効果や副作用に違いがあると指摘する論文や学会発表もあります。最近では、ジェネリックが先発薬と同等かを調べる品質再評価が実施され、品質が不十分な薬は排除されています。

(2015年7月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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