スポ-ツ医学

 スポ-ツ医学は、整形外科の領域の一つとして発展してきました。靭帯損傷や肉離れなどの故障に対し、運動にとって痛みを和らげたり、治したりする運動療法のほか、傷口が小さい内視鏡手術の一種、関節鏡手術を手がけています。治療だけでなく、運動機能低下を抑えながら早期復帰が求められる運動選手に対応することを目的としています。近年、スポ-ツ医が中心となり、内科疾患の治療に挑む動きも出てきています。スポ-ツ医学や内科、循環器内科などの医師が治療にあたり、スポ-ツ医と内科医が連携し、メタボや糖尿病などの生活習慣病を予防しようとする試みです。
 日本にはスポ-ツや運動に関連する医師の資格がいくつかありますが、最も古いのが日本体育協会の公認スポ-ツドクタ-です。スポ-ツドクタ-の多くは整形外科医ですが、同協会によると産婦人科医の医師を増やすのが課題であるとしています。女性トップアスリ-トの約40%が、将来の妊娠に影響を与える可能性がある無月経や月経不順を抱えているとされるからです。われわれ産婦人科医も女性アスリ-トの健康管理に主体的に取り組んでいかなければならないと考えています。日本産科婦人科学会では、女性アスリ-トのためのヘルスケア委員会を立ち上げ、女性特有の生殖機能を考慮した上での健康の包括的支援の運動を展開しています。

(2015年8月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

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