タイでの代理出産報道について

新聞によれば、タイにおいて代理出産したとされる女性たちから産まれた12人の子どものDNAが、いずれも依頼した日本人男性のDNAと一致した。一度にどうして16人もの子どもを作ったのか、未だこの男性の目的が明らかではないが、どのような医療技術で子どもを作ったのかも不明なままである。1つの方法としては、男性の精液をそれぞれの女性に人工授精したことが考えられる。もう1つは女性から卵子提供を受け、男性の精子との間で体外で受精させ、受精卵を代理懐胎してくれる女性に移植するという方法である。その際には、卵子を提供してくれた女性と懐胎する女性が同一である場合と同一でない可能性がある。同一である場合は、通常体外受精を行わずとも、人工授精をすれば妊娠することができると考えられる。

そもそも代理懐胎(代理出産)とは、妻に子宮がない場合に、他の女性に妻の代理として出産をしてもらうことをいう。このタイでの場合は男性に妻がいるのかどうかも不明であり、代理出産と呼んで良いのかという疑問が残る。夫婦ではなく、男性が女性に子どもを産ませる行為を代理懐胎とするならば、代理懐胎の本来の考え方が異なってくることになる。

(吉村 やすのり)

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