プロゲステロン腟座剤

 あすか製薬は2016年をめどに、不妊治療に使われるプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれる女性ホルモンの製造に参入します。プロゲステロンは女性ホルモンの一種で、体外受精などで受精卵を着床させた後に、着床状態を維持するために使用されています。座薬タイプの薬剤を開発中で、今年中の承認を目指しています。プロゲステロン自体は無月経症や切迫流早産などの治療薬として使われていました。
 現在、プロゲステロン腟座剤は、体外受精・胚移植後の着床維持のために汎用されています。こうした不妊治療に対しては国内での製剤の発売がなかったために、海外からの輸入や病院内で医師や薬剤師が調整する院内製剤が使用されていました。こうした院内製剤は安全性が確認されておらず。製造方法も医療施設において異なっていました。日本産科婦人科学会によると、12年の国内での体外受精は33万件が実施され、生まれた子どもの数は約38000人で、年々増加してきています。この需要に応ずるためにも、プロゲステロン腟座剤の早期の承認が望まれます。

(2015年6月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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