マイナンバ-は安全か?

戸籍や住民票がない米国では、9ケタの社会保障番号(マイナンバ-)が、有力な本人確認手段になっています。銀行口座の開設やクレジットカ-ド作成、住宅ロ-ン申込みなど民間でも幅広く使われるため、番号とともに住所や氏名が知られると悪用される恐れがあります。番号が漏れても、ただちに被害が出ないような制度設計になっています。具体的には、身分証変わりに使う個人番号カ-ドに写真とICチップを入れ、窓口オンライン手続きで他人がなりすましにくくなっています。
 情報漏洩に重い罰則をもうけ、自分の情報がいつ誰に使われたかをネットでチェックできるシステムも作っています。導入当初のリスクは確かに低いと思われますが、民間利用が広がれば広がるほどリスクが増えると考えられます。金融機関の富裕層向けサ-ビス利用者や、病気を抱えた人の番号リストなどと組み合わせていくと、悪用される可能性はどんどん広がっていきます。

(2015年5月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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