企業年金とは

 企業年金とは、企業が自社の従業員のために公的年金とは別に設けている年金制度の事を言います。日本の年金制度は3階建てになっており、1階部分にあたるのが全国民に共通の国民年金です。2階部分にあたるのが厚生年金で、1510月までは民間企業の会社員は厚生年金、公務員や私立学校の教職員は共済年金と分かれていたが一本化されました。こうした公的年金に上乗せされるのが、企業年金など3階部分にあたる年金です。世界的な株安や円高などの市場の波乱を受け、企業年金の運用が悪化してきています。主要企業の集計で2015年度の運用利回りは、5年ぶりにマイナスになる可能性が出てきました。ここ数年の運用好転で年金財政は改善していましたが、運用環境の悪化が続けば将来の支払いに必要な年金の資産が足りなくなり、企業は負担を強いられる恐れがあります。
 企業年金は、厚生年金基金と確定給付年金、確定拠出年金の3つがあります。確定給付年金と厚生年金基金は将来の給付額が決まっており、運用が足りなかった場合は企業が差額を補填します。確定拠出年金は運用成績に応じて将来の給付額が変わります。運用内容は加入者が決めます。拠出額だけが決まっており、企業は運用が悪化した際の負担を避けられます。

(2016年2月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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