共働き世帯の増加

 日本の共働き世帯は、1992年に専業主婦世帯を上回った後も増加が続き、いまや多数派となってきており、働く女性は大幅に増加しています。グロ-バル競争が激化し、企業が人件費を抑制する中、男性の賃金が伸び悩んでいるために、妻が家計を補填する必要が生じてきました。同時に人件費の安いパ-ト労働者への需要が高まりました。社会が成熟し、モノではなく、サ-ビスへの人々の欲求が高まるにつれ、介護、保育、接客など女性の労働力を必要とする産業も広がってきています。その結果、夫が正社員、妻がパ-トという共働き世帯が増えてきました。
 共働き世帯が増えたといっても、家事と両立できる程度の就労が多数派を占めています。女性雇用者数は1980年代に比べて2倍弱に増えましたが、半分以上は非正規雇用です。そのため、管理職を希望する女性も、管理職を担えるだけの育成を受けて生きた女性も限られています。こうした人材不足が女性管理職比率を高めるための大きな阻害要因となっています。社員の意識付けや育成を通した人材の裾野の拡大が不可欠です。

(2015年4月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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