冬のうつ病

 冬が近づくと気持ちが落ち込んだり、体がだるく疲れやすくなったりすることがあります。春になると治ります。そんな症状が繰り返すようなら、冬のうつ病、季節性情動障害かもしれません。冬に日照時間が減ることによって引き起こされる病気で、光を浴び、軽い運動をすることで改善が期待できます。日本では、九州や近畿には少なく、東北や北陸地方などの日本海側に多いとされます。
 日光を浴びると、感情を制御し精神安定させる神経伝達物質のセロトニンが脳内で盛んに分泌されます。しかし、冬に日が短くなるとセロトニンが不足し、気分が落ち込んだり、体がだるくなったりします。日が長くなる3月末ごろになると回復し、夏は普通に過ごせますが、冬が近づくと再び症状が悪化します。日照時間の少ない梅雨などに発症する人もいます。最も手軽な対策は、日光を浴びながら軽い運動をすることです。光や運動にはセロトニンの分泌を増やす作用があります。毎朝1時間ほど散歩すると良いとされています。

(2016年11月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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