医療研究機構が遺伝情報の体制づくり

 日本医療研究開発機構(AMED)は、診断がつかない病気の子どものゲノム(全遺伝子情報)を解析して、診断や治療につなげるプロジェクトを始めるとしています。診断がつかない病気のこどもは、国内で毎年1万人以上生まれていると推定されています。発達の遅れや障害があっても、原因がわからず診断のつかない病気は、遺伝子の異常がかかわるケ-スが多いとされています。プロジェクトでは患者の血液からゲノムを解析して診断につなげます。これら子どもの大量の遺伝子情報を高速で解読する技術を使い、より効果的な治療の実現を目指します。
患者を診た地域のかかりつけ医が、指定された17カ所の拠点病院に連絡する体制をつくります。専門医らによる診察や検査でも病名がわからない場合、国立成育医療研究センタ-など全国5カ所の解析センタ-で、ゲノムを解析、国内外の報告や論文を参照し、診断や治療法を検討することになります。ゲノム研究の成果は、これまで希少難病の患者さんに十分には届いていませんでした。施設の連携を通じて、診療レベルの底上げを目指しています。

(2015年7月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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