医療被曝の抑制基準

 CT検査やX線検査などの放射線検査の関連学会は、検査方法の統一基準をまとめました。日本は医療被曝大国と言われており、過剰な被曝を抑えていくことが狙いです。日本は年間のCT検査が約4万件あり、人口当たりの件数が世界で最も多い国の一つです。国民1人当たりの医療被曝は先進国平均の約2倍とのデ-タもあります。
 対象はCT検査、X線検査、マンモグラフィ-(乳房X線撮影)、歯科でのX線撮影、血管造影撮影、陽電子放射層撮影(PET)などです。設けられた基準は、例えばCT検査では、体重5060キロの成人ならば頭部の被曝1350ミリグレイ(局所の被曝量)を目安にすることにしています。15歳の小児では頭部が660ミリグレイ、胸部は300ミリグレイとしています。現状は、同じ検査でも病院によって線量は数倍の違いがあります。線量が高い方が鮮明な画像を得られることも一因ですが、実態検査と基準の見直しを繰り返し、全体の線量を段階的に減らすことを目指しています。

(2015年4月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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