医薬分業

 医師は患者の症状を診察して効果のある薬を選びますが、必ずしも副作用やほかの薬との飲み合わせまで注意しきれないことが多々あります。副作用のリスクなどを下げるためには、医師が処方した薬を薬剤師がチェックすることが必要で、それぞれが独立して行う医薬分業が進められてきました。 医師の処方に疑問や不明点がある場合、薬剤師が医師に問い合わせをする疑義紹介の制度もあり、最近ではよく活用されるようになってきています。
 医師は薬の効果を考えて処方し、薬剤師は副作用を考えるのが得意です。しかしこれまで薬剤師は、患者の体調を知るすべがありませんでした。最近、院外処方箋に、検査値や添付文書に禁忌・警告の記載のある薬剤と注意すべきポイントを掲載する病院が出てきました。医療現場では医師の判断にものを言いにくい風潮もあります。検査値の表示は、医師の処方に従って機械的に薬を渡すのではなく、適切かどうかチェックする本来の役割を薬剤師に促す効果があります。

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(2015年8月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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