国民健康保険の赤字

自営業者や退職者らが加入する国民健康保険(国保)の赤字が、2013年度は前年度比85億円増え3,139億円に達しています。国保は毎年3千億円前後の赤字が続き、運営する市町村が税金を投じて埋め合わせています。加入者の所得が低く、保険料の引き上げは厳しいため、厚労省は15年度から国費投入や大企業健保の負担増で支援するような制度を考えています。

 国保は、加入者1人あたりでみると、平均保険料は約8万円と企業健保に比べ安いのに、医療費は30万円を超え、企業健保の2倍にも達しています。国保には定年退職した人が入り、加入者の3割は65~74歳で、平均年齢は50歳と、高齢になっています。そのため、通院する患者も増え、かかる病気も多く、医療費支出がかさむ半面、所得は低いため保険料収入で賄いきれず赤字になることになります。いずれにしても国保においては、高齢者医療が負担になってきており、そろそろ受益者負担率の増加を考えなくてはならない時期にきています。

(2015年1月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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