妊活と仕事の両立

夫婦の6組に1組が不妊で悩んでいます。そのため働く女性は、「妊活」と仕事の両立に苦慮することも少なくありません。不妊に悩む人々を支援するNPO法人であるFineが、2013年に実施した調査によれば、不妊治療で仕事などに支障をきたした人は86.6%にも達しています。月経周期により通院する日が変わるため、不妊治療は予定した日に通院することはできません。仕事に合わせて通院する日を決めることはできません。通院と大事な会議が重なり調整に苦労するなど、切実な声が寄せられています。調査によれば職場に迷惑をかけている罪悪感と、子どもを持ちたいという気持ちとの板挟みで悩む人も少なくありません。

 偏見や誤解を恐れて職場で打ち明けにくいのも、両立の難しさに拍車をかけています。4人に1人が、自分が不妊治療を行っていることを職場で誰にも話していないようです。周囲に内緒だといずれ行き詰まることになります。急に仕事を休むときも事情を知ったうえでカバーしてくれる人がいれば、仕事に手を抜いているなどと誤解されずに済みます。できる限り職場で自らの不妊治療のことを話すべきだと思います。特に直属の上司にはよく状況を話し、治療に対する理解を得ることが大切です。また病院を探す時も、仕事と両立できるような診療環境を持っているクリニックを選択するように心がけることも必要です。

(2014年11月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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