完全失業率

日本での完全失業率は、7月が3.8%と9カ月連続で3%台の低水準にとどまっている。景気回復に伴う求人の増加に加え、人口減で働き手が減少していることによると考えられる。完全失業率とはミスマッチ失業と需要不足失業とを合わせた数である。ミスマッチ失業とは、技能や年齢といった条件面で求職者と企業の希望がかみ合わないことをいい、景気によって左右されることは少ない。需要不足失業とは、企業の求人が減ることによっておこる失業のことをいい、不景気になれば増加する。

現在、景気の回復により需要不足失業はほとんどゼロになってきており、完全失業率はミスマッチ失業率に一致している。景気がこれ以上良くなくなっても、失業率はこれ以上大幅な改善は望めないということである。このミスマッチ失業率を減らすには、新しい技能を身に着ける職業訓練や適材適所の雇用形態を含めた転職の促進も必要となるであろう。

(2014年9月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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