家庭医・総合医とは

年齢や性別、臓器に関係なく、全身の健康問題に対応できる家庭医・総合医が注目されるようになってきています。現在の医療は、臓器別の専門分化が進み、複数の疾患を持つ高齢者の増加に対応できない事情が背景にあります。家庭医・総合医とは幅広い臨床能力を修め、多様な症状の患者を診る医師のことです。患者の訴えや検査結果、治療歴などを踏まえ、体だけではなく精神面を含めた全人的なケアが要求されます。
 日本医学教育は臓器別の専門医養成が主体だったため、総合的な診療ができる医師が少なくなってしまいました。欧州の一部やカナダなどでは、医師の約半数が家庭医や総合医で、日常の病気や健康問題の約8割に対応しています。2013年には厚生労働省の検討会が、総合的な診療能力を有する医師を専門医の19番目の基本領域とすることを決めています。

(2015年4月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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