性的マイノリティに対する配慮

 文部科学省は、同性愛や性同一性障害などを含む性的少数者の子どもについて、配慮を求める通知を全国の国公私立の小中高校などに出しています。これまでは法律上の定義がある性同一性障害者に限られていましたが、それ以外の性的少数者についても、国として学校に対応を求めたのは初めてのことで画期的なことです。通知では、子どもが相談しやすくするために、教員が性的少数者についての心ない言動を慎むことや、子どもの服装や髪形について否定したり、からかったりしないよう明記しています。
 教員が良き理解者となり、いじめを許さない人権教育を進めるよう求めています。子どもの性には揺るぎがあり、教員には性的少数者全体への正しい知識が求められます。通知をきっかけに、教員への研修や教員養成課程での教育が必要となります。今夏までに、性的少数者への差別について考える授業例などの資料をつくり、教員研修などに役立てることにしています。性の多様化が明らかになる現在、こうした文部科学省の通知は大変に評価ができると思われます。

(2015年5月1日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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