日本紅斑熱

 日本紅斑熱は、日本特有のリケッチアの一種であるリケッチアジャポニカを持つマダニに刺されて発症します。主に西日本で春~秋にかけて感染し、潜伏期間は28日で、頭痛、発熱、倦怠感を伴います。国内では数こそ少ないものの、日本紅斑熱の患者数が除々に増えてきています。日本特有の病気で、野山に入りマダニに刺されることで感染します。病原体となるリケッチアを運ぶマダニは、日本全国に生息しています。
 98年より前の報告例は鹿児島や宮崎、高知、神奈川などに限られていましたが、99年以降太平洋側で拡大してきています。患者数もこの15年で6倍強になっています。患者の増加は、野生動物の生息域拡大とともにリケッチアに感染したマダニが広がったことや、診断技術の向上により不明例が日本紅斑熱と診断されるようになったことに起因します。

(2016年2月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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