晩婚化の背景

 晩婚化は非正規労働だったり、勤め先の経営が不安定だったりして、結婚に踏み切れない人が多いことが一因となっています。年々結婚率は低下し、2014年の人口千人あたりの結婚率は5.1まで低下しています。これにつれて生涯未婚率は男女ともに増えてきています。ただ子どもを欲しいと考えている人は多く、若年層の希望が全てかなうと、出生率は1.8程度にまで上昇します。仕事と子育ての両立や所得面の不安など若年層が出産に踏み切れない理由を取り除くことができれば、出生率は大きく上がる可能性があります。
 政府は3月に閣議決定した少子化大綱で、認可保育所の待機児童を17年度末までに解消するなどで子育て支援を拡充する方針を明記しています。働く男性の1割以上が育児休業を取得できるようにする働き方改革を推進する方針も打ち出しています。民間企業でも、仕事と育児を両立しやすい環境をつくろうと、長時間労働の是正や育児取得の促進など働き方改革の動きが広がっています。ただ人口1億人を維持するには、出生率2.07が必要になり、これは現在の状況ではとても考えられないほどの極めて高いハ-ドルです。人口1億人を維持すると考えるのではなく、若い男女が1人でも多くの子どもが産める政策を考えることが先決です。

(2015年6月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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