東京の空

東京の空は明治時代よりも澄んでいるそうです。20141年間に東京都内から富士山が見えた日は138日に上り、50年前の6倍に増えたことが報告されています。大気汚染が改善したことや、ヒ-トアイランド現象で空気が乾燥したことが要因と考えられています。特に冬は東京の空は青く澄んでいます。地方へ行くことが多いのですが、北日本は別として中国からの影響を受けやすい西日本より空はきれいだと思います。

私が大学に入学した頃(1969)は、現在のようなの青い空は東京では冬でも見えることは少なかったように思います。公害対策が進み、汚染物質が減ったことが要因と思われます。高度経済成長期、社会問題化した大気汚染を受けて1968年に大気汚染防止法が施行され、さらに東京都のディ-ゼル車の排ガス規制も始まりました。東京の空は40年~50年かけて本当にきれいになりました。規制も大切ですが、人々が大気汚染を含めた環境問題を真摯に考えるようになった意識改革があったように思います。

わが国は未曽有の超少子・高齢化社会に突入しようとしています。今、皆が真剣に少子化問題を考え、対策を立て実行すれば、東京が青い空を取り戻したように、50年後に解決できるかもしれません。少子化克服のためには、何が必要で、何が大切なのかを皆で考えるべきです。

(2015年1月31日 東京経済新聞)
(吉村 よしのり)

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