止まらぬ地方人口減

 地方都市の人口減は止まりません。日本創成会議は昨年5月、具体的な自治体名を挙げて消滅可能性都市を特定しました。その数は896にものぼります。これは、実に全国1800ある市区町村の半分に当たる規模です。消滅可能性都市が多いのは、東北や四国、九州地域です。青森、岩手、島根など7道県では、75%以上の自治体が当てはまり、秋田では全25市町村のうち大潟村を除く24の市町村が、消滅可能性都市になっています。 日本の人口は2008年の12808万人をピ-クに減少し始めています。少子高齢化で日本の行く末が危機的な状況になることは誰もが思っていても、なかなか実感できず、政府も具体的な対策がたてられないのが現状です。今は人を集める都市も、先行きは厳しいものがあります。都市部こそ少子化のピッチが速く進んでいます。女性が一生に生む子どもの数を示す合計特殊出生率は、地方よりも都市部のほうが低いからです。沖縄の1.94に対し、東京は1.13と全国で最も低い数値を示しています。政府は石破茂地方創生相の下で総合戦略を作り、働く場所を設けて地方への移住者を増やし、若い人が結婚や出産をしやすい環境と整えようとしています。国民一人一人が真剣に考えるべき時期に来ています。

(2015年4月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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