歯周病と全身疾患

 歯周病は、歯がグラグラして最終的には抜けてしまう成人の多くが患っている炎症性の病気です。歯と歯茎の間に細菌の塊である歯垢や歯石がたまり、細菌感染を引き起こすことによっておこります。初期は歯茎が腫れる歯肉炎、進行すると歯を支える骨が破壊される歯周炎と呼ばれる状態になります。軽い症状まで含めると日本人の成人の約8割が歯周病にかかっています。自覚症状がないまま進行し、放置すると歯が抜け落ちてしまいます。
 この歯周病が、肝臓病や心臓病、糖尿病など全身の疾患とも密接に関係することがわかってきています。歯周病は、非アルコ-ル性脂肪肝炎、糖尿病との関連が考えられています。歯周病を治療することにより、肝炎が治癒することもあります。歯周病のある人は糖尿病が重症化しやすいともされています。 また心筋梗塞などにつながる動脈硬化、慢性腎臓病、誤嚥性肺炎などとの関連も指摘されています。

(2015年11月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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