残業代ゼロへ向けての法制化

厚生労働省は、労働時間と賃金を切り離し、残業代ゼロとなる新しい制度などを盛り込んだ報告書の骨子案をまとめています。当初は年収1075万円以上で、高い職業能力を持つ人を対象としています。上級管理職以外の働き手を対象に、労働時間の規制を外す初の制度となります。一方、労組側は「長時間労働を助長する」として、反発しています。

今は短時間で成果を上げるより、長く働いた方が残業代の割り増しがつきます。新制度なら長く働いても給料は増えないので、働きすぎの防止に繋がることを目的としています。結果的に時間あたりの生産性も上がることを期待しています。しかし、いまも働き過ぎの人たちが、さらに成果を競わされ、無制限の労働を強いられることになるとの考えもあります。対象を高度な専門職に限定しているが、いったん制度が導入されれば、年収要件や職種が拡大される恐れがあり、「過労死ゼロ」を目指す流れに逆行する可能性も否定できないとの指摘もあります。

(2015年1月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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